長野県 木曽駒ケ岳 初心者向けテント泊登山

日付 使用機材

訪れた日付 2018/7/24、25
使用カメラ D800
使用レンズ AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR
その他 三脚使用なし rawレタッチあり

地図

木曽駒ケ岳 初心者向けの登山コース

写真が多くなったので、一部小さなサイズで載せていますが、クリックすると拡大します。

木曽駒ケ岳は初心者でも登頂できる山として有名です。けれど標高は高く木曽駒ケ岳山頂は3000mに迫る2956mあります。標高だけ見ると初心者にはきついのではないかと感じるかもしれませんが、2612mまではロープウェイで行く事が出来ます。ロープウェイの駅の千畳敷駅から木曽駒ケ岳までは、体力にもよりますが、片道2時間~2時間半くらいで行けると思います。

距離は短く、初心者向けと言ってもハイキングらしい道というよりは登山らしい道を通るので、全く山に登ったことない方イメージと違うかもしれないので注意が必要です。コースの途中で宝剣山荘と頂上山荘の二つの山小屋があるので、休憩、水の補給が出来ます。山では水が貴重でトイレや水は有料が普通なのでこれも初心者は注意が必要です。テント場や山荘に泊まる人は宿泊料に含まれていることがほとんどなので、トイレを使用するたびにお金を取るということはあまりないと思います。

千畳敷カールは絶景として有名

ロープウェイの千畳敷駅周辺からみる千畳敷カールは絶景としてとても有名です。「カール」というのは、氷河の浸食で円形型にえぐられた地形です。固めのヨーグルトをスプーンですくって、残った方の形みたいな感じです。(例えが余計わかりづらい?(笑))

今回訪れたのは夏で、秋の紅葉の景色は写真でしか見たことないのですが、秋にも行って見たくなるほどの絶景です。山の紅葉は平地よりだいぶ早いし、その年によっても多少変わるので見に行くときはちゃんと見ごろの時期をチェックしていくといいと思います。

千畳敷駅周辺に登山をせずに15~30分くらいで歩いて周回できる遊歩道があります。千畳敷カールを見て、登山をせずこの遊歩道だけ歩いて帰る方も多くいます。

日本一標高の高い駅、ホテル

ロープウェイの千畳敷駅は日本一標高の高い所にある駅です。日本ではロープウェイで行ける一番高い所ということになります。

千畳敷駅と隣接されているホテル千畳敷も日本一標高の高い所にあるホテルです。標高2600m以上あるのでテント泊や山小屋に泊まらなくてもきれいな星空をゆっくり楽しむ事が出来ます。都市部にあるホテルとは違って部屋数は少ないので早めに予約が必要だと思います。

テント泊に挑戦

山でのテント泊に今回が初めて挑戦しました。長期休みの所でいけたら良いのですが、天気がいいかわからないし、混雑を避けて通常のシフト休の連休で行ってきました。夜遅くに仕事が終わって仮眠をとって2時過ぎに出発しました。高速道路のパーキングエリアで2回休憩して菅の台バスセンターに着いたのが、6時過ぎです。

↓パーキングエリアの記事はこちらです。

中央道 パーキングエリア、サービスエリア紹介

マイカーで行けるのは菅の台バスセンター周辺までです。ロープウェイのしらび平に行くにはマイカー規制があるので、菅の台バスセンターの駐車場に止めてバスに乗り換えます。平日でもかなりの混雑との情報もあったのですが、この日は駐車場も空いていたし、バスも臨時便が出てたおかげもあって15分くらい待って乗れました。 バスに乗って30分くらいでしらび平に着きました。

ロープウェイは50人以上乗れるロープウェイです。ここでは学生の団体と重なってしまったため、多少待ちました。それでも待ち時間は30分くらいだったと思います。

秒速7m、10分もしないうちに950m登って2612mに到着します。ロープウェイの中からの景色も絶景です。この時期だと雪解け水がとても長い滝のように流れる珍しい景色が見れます。私が乗ったときのロープウェイは通勤時間の満員電車のような状態だったので、残念ながら写真が撮れませんでした(笑)

千畳敷駅は目の前に絶景が広がる

ロープウェイを降りて千畳敷駅を出ると、もう目の前には有名な絶景千畳敷カールが広がります。

上でも書きましたが、千畳敷駅周辺を周回できる比較的平坦な遊歩道があります。木曽駒ケ岳の頂上を目指すにはその遊歩道の途中からもう少し本格的な登山道に入ります。「ここからはちゃんとした登山の装備で」と登山装備が勧められています。しかし中学生の団体さんはジャージ、スニーカー、小さなリュックと完全に軽いハイキング装備でした(笑)

登山装備を勧める道に入ると、最初はそこまで急な登りではないですが、徐々にきつくなります。手すりもない急斜面を登るので登山をしたことない方は、少し戸惑うことがあるかもしれません。転倒の危険はもちろん、標高が高く空気が薄いため平地より疲れやすいため、焦らずゆっくり登ることが大切です。

マラソン選手などが心肺機能などを鍛えるために標高の高い所でトレーニングを行う高地トレーニングは2000m前後で行われることが多いです。それよりも少し高い2600~2900mなので、一般人が激しい運動をすればすぐに息が上がります。

荷物の重さが重要

上でマラソン選手の話など出して少し脅すようなことも書きましたが、初心者コースなのでゆっくり焦らず登れば、成人の平均的な体力であれば登れると思います。しかし私のようにテント泊を初めてするという人は注意が必要です。

私は単独で周りにも登山が趣味という方がいないので、ネットで適当に情報収集して登りました。心配性の私は水を多めに、寒くなるのが心配なので着るものも多めに、望遠レンズも、晴れたら星空撮るのに三脚も・・・と荷物がどんどん増えていきました。結局15キロ以上になってしまいました。背負ってみるとかなりずっしりくるなという印象だったのですが、テレビで「本格的な登山は30キロくらい背負って一日中歩く」みたいな話を聞いていたので、「半分の15キロで2~3時間くらいなら余裕だろう」と考えていました。

登ってみると間違いだったことにすぐ気づきました。15キロ背負って、2600mで急な登りはめちゃくちゃきついです。さらに私は体重45キロと軽い方なので、15キロの荷物に体を振られる感があるので斜面は結構怖いです。

あまりにきついので、荷物の重さ関係なく私の体力が歳で衰えがすごいのかとショックだったのですが、テント場でテントを張り荷物を全部テントの中に置いて、貴重品、カメラ、水500ml持って歩き回ったら全然問題なく登り下り出来ました。だからきついのは荷物のせいです(笑)

登山家達の体力はすごいです。登山はハイキングのバージョンアップみたいなイメージでしたが、テント泊で縦走というようなものになると、普通にスポーツです。

荷物の削減はとても重要だと感じました。自分の体力、登るコースなど考えて荷物を慎重に決める必要があります。

私が持って行った荷物についてはまた別ページで紹介したいと思います。

余談ですが、登りの途中で中学生の団体さんがすれ違いました。私は息切れがすごくてあまりしゃべりたくない状況だったのです。先生から言われているのか、もともと性格なのかわかりませんが、多くの生徒さんが「こんにちは」と挨拶してくれます。普通のハイキングなら微笑ましいことですが、今の私は息切れで何十回の「こんにちは」はとてもきついです(笑)

前にテレビのバラエティ番組で「こんにちは地獄」とエピソードを話していましたが、それとは全く違った状況ですが、これもある意味「こんにちは地獄」です(笑)もちろん中学生が悪いわけではなく、無理な荷物を背負って登った私が全面的に悪いです。笑顔で気持ちよく挨拶を返せなかったことをお詫びし、反省します。

乗越浄土

最初の急な登りを終えると乗越浄土という所にたどり着きます。ここからの景色を楽しむとともに休憩をとってもいいし、平坦な道のりの先に山小屋(宝剣山荘)が見えていると思うのでそこで休憩をとってもいいと思います。私はここで休憩を取り、宝剣山荘には寄らずに頂上山荘を目指しました。

ここまでの登りが一番きついと思います。この後は少し平坦な道を歩き、中岳に登り、一度下って木曽駒ケ岳に登ります。中岳までの登りはそれほど長くないし、最後の木曽駒ケ岳までの登りの前に頂上山荘とテント場があるので、テント泊をするならそこでテントを張り、荷物を置いていくととても楽に登れます。

私は写真を撮りながら乗越浄土までで1時間かかりました。少し遅いペースです。荷物の少ない方、体力のある方はもう少し早く登れると思います。下に見える赤い建物が千畳敷駅と千畳敷ホテルです。

中岳

中岳で2925mあります。木曽駒ケ岳に登るには一度下ってしまいますが、2956mの木曽駒ケ岳とそれほど変わらない高さがあります。乗越浄土から中岳までは30分くらいです。

一度下った所に頂上山荘があります。テント場の受付もそこでできます。こちらの写真に見えている建物が頂上山荘です。もう既に少しテントが張られています。

こちらの写真に見えている建物は今通ってきた宝剣山荘です。

頂上山荘

私はここでテント場の受付をしてテントを張りました。と言っても周辺にテント場はここしかないようなので、テント泊をするなら通常ここ一択だと思います。

テントは70張くらい張れるそうです。平坦な所が広がっているわけではなく、ある程度岩で区切られて敷地が決まっています。受付時に「奥からお願いします」と言われたので、奥に張ったらトイレまでが遠く面倒でした(笑)皆さん普通に手前に張っていました。おそらく奥というより何となく端から張っていけばいいということだと思います。この日は平日でしたが、最終的に15~20張くらいだったと思います。平日ならおそらく張れないということはなかなかないのではないかと思います。

テント泊でも予約すれば山荘で食事だけ頂くことも出来るようです。

木曽駒ケ岳 登頂

テントは設営し、中に荷物を置いて重たいリュックとはここでおさらばです(笑)カメラと500mlペットボトル、財布だけ持ち、木曽駒ケ岳山頂までの最後の登りに挑みます。挑むと言うと少し大げさかもしれません(笑)重たい荷物がなければ、特にきつい登りではないです。距離もそれほどなく、30分もかからなかったのではないかと思います。

中岳と木曽駒ケ岳の間にある頂上山荘も景色はいいですが、やはり木曽駒ケ岳の山頂からの景色の方がいいと思います。

深追いは危険?

頂上山荘でテントを張って休憩をとってから、木曽駒ケ岳の山頂を目指し着いたのは昼前でまだまだ時間があるので少し他のルートを見てみようと思い、木曽駒ケ岳の山頂から馬の背、濃ヶ池方面に方に下ってみました。

はじめのうちはそれほど険しくなかったのですが、段々道が険しくなっていきます。さらに濃ヶ池を通って乗越浄土の方に戻れる道があるようですが見つかりません。濃ヶ池は上から確認できるのですが、そちらの方に下っていく道がよくわかりません。下の写真がおそらく濃ヶ池だと思われます・・・・・あまり自信ないですが、これしか池らしいものが見当たらなかったです。

おそらくかなり険しい道だと思われます。やはり初心者は予定外のルートなどに興味本位で入らない方がいいと思います。こちらのルートに入ると人数も一気に減ります。何かあったときに助けを求められる可能性も低くなってしまいます。

中岳を周りこむ別ルートの方も少し見てみましたが、こちらのルートも初心者には危険らしく、人も少ないので、すぐに引き返しました。

カモシカ発見したが・・・・・

上から濃ヶ池を眺めていると何か動くものを発見しました。この時点で野生動物に詳しくない私は、何の動物かわかっていません(笑)何だかわかっていないのですが、千葉に住んでいる私には大きな野生動物はなんでも珍しいです。ぜひ撮りたい被写体だったのですが、重さにつかれた私はテントに望遠レンズも置いてきてしまっています。(今撮らないで何のために持ってきたんでしょう(笑))

仕方なく標準レンズで撮りました。トリミングしても動物だと確認するのがやっとです(笑)分かりづらいので、赤丸で示しました。

家に帰ってからネットで調べるとおそらくニホンカモシカだったと思います。

夕日が最高

山荘での宿泊、テント泊のメリットとして夕日、朝日、星空が山頂、もしくは山頂付近の非常に標高の高い所から見れるというのがあります。私もそれが目当てでテントを買いました。テント泊をしないといけない所に行きたいというよりは山頂付近からの夕日、朝日が見たかったのです。

夕方前の写真

 

昼間に登って一度テントまで降りたのですが、夕方にもう一度木曽駒ケ岳の山頂に登りました。山頂から夕日や朝日を楽しむことは宿泊組では定番なのかと思っていたのですが、意外にも私だけしかいませんでした。

所々結構雲があり、ダメかなと思ったのですが、綺麗な夕日の写真を撮ることが出来ました。

太陽の方角だけでなく、他の部分を見てみると、雲や山がピンク色に染まってとても綺麗です。昼間とは違った顔を見せてくれます。

野鳥 イワヒバリ

山に行くと鳥の鳴き声はたくさん聞けるのですが、写真を撮れるくらい近い距離では意外と見かけないものです。この日も夕方まで近くではあまり見かけなかったのですが、夕日を撮りにテント場から木曽駒ケ岳の山頂に登っていくときにたくさん見かけました。

人がいなかったから見れたのか、この時間帯になると姿を見せるのか、たまたまだったのかわかりませんが、標準ズーム+トリミングで割と大きく撮れました。たぶんイワヒバリだと思います。

星空を撮り逃す

夜寝る前に星空を撮ろうと空を見上げると雲があり、きれいな星空は無理そうなので諦めて寝ることにします。

朝日を撮りたかったため、夜明け前に起きてテントをたたみ、帰り道の途中で朝日を拝もうというプランでした。夜明け前にテントの外に出ると、満天の星です。やはり山の星空はすごいなと思いましたが、周りのテントや山荘が写るのが嫌だったし、空だけ撮っても面白みがないと思い、とりあえずテントをたたんで、もう少し離れた所で撮ろうと考えました。

ところがテントの扱い自体なれていないうえに暗闇で風のある中テントをたたむのはなかなか難しく、グダグダしているうちに空が明るくなってきてしまいました(笑)完全に判断ミスです。とりあえず三脚とカメラを持って撮っておくべきでした。

朝日も撮れず

星空は撮り逃してしまいましたが、朝日はまだ狙えると期待し下山し始めました。ところが下山途中では雲に隠れたり、山に隠れたりしてまともに朝日が見れませんでした。

千畳敷駅周辺まで戻ってきて千畳敷カールは少しピンクがかかり、日陰が出来て昨日とは若干雰囲気変わった写真が撮れました。

帰りのロープウェイ、バスも臨時便が出ていてそれほど待たずに乗る事が出来ました。

星空、朝日、カモシカと撮り逃しも多くなってしまいましたが、夕日は絶景だったし、初めてのテント泊で新鮮な貴重な体験をする事が出来ました。今回の経験を活かし、また機会があればテント泊に挑戦したいと思います。