日本ダービー 3歳馬の頂点を決めるレース
日本ダービーはG1レースの中でも大きなレースです。本賞金も他のG1レースより高いです。先週の3歳牝馬の頂点を決めるオークスは本賞金1億1千万、天皇賞春は1億5千万に対し、日本ダービーは本賞金2億です。
3歳限定、東京競馬場、距離は2400mで行われます。競馬で芝の約2400mは世界でも大きなレースが多く行われています。凱旋門賞、英ダービー、キングジョージなどが芝の約2400mで行われています。(約と少しずれがあるのはおそらく海外は単位をメートルで考えてないからだと思われます。)
日本でもジャパンカップは日本ダービーと同じコース、同じ距離で行われます。有馬記念は中山競馬場で少し距離が延びて2500mです。このように競馬では芝2400mは一番人気のある距離、注目される距離と言ってもいいと思います。
そのため3限定のG1レースは他にも皐月賞、NHKマイルカップ、菊花賞がありますが、日本ダービーの勝者が3歳馬の頂点と言われているのだと思います。
勝ったのは12番人気ロジャーバローズ
レース展開は序盤からリオンリオンが飛ばして大逃げを打ちます。かなりハイペースで逃げて、離れた二番手にロジャーバローズが付けます。4、5番手辺りに皐月賞3着のダノンキングリーが付けます。皐月賞2着のヴェロックスは中断やや前目に付けます。
直線に入ってもまだ大逃げしたリオンリオンが粘りますが、残り400mくらいでロジャーバローズにとらえられます。そこから先行したダノンキングリーも上がってきますが、最後はクビ差でとらえきれずロジャーバローズが1着、2着にダノンキングリーです。最後は外からヴェロックスも迫りますが、2馬身以上差が開きました。
圧倒的一番人気1.6倍のサートゥルナーリアは4着
皐月賞だけ見たらそこまで実力差はなかった
2歳のホープフルまでの勝ち方を見ると、3冠か、凱旋門賞もというほどの期待があったサートゥルナーリアですが、年を開けて初戦の皐月賞では勝ちましたが、精一杯のレースでギリギリの勝利でした。もちろん強いことは強いのですが、期待が大きかっただけに少し物足りなさを感じてしまったというのもありました。
皐月賞のレース前は3馬身はつけるのではないか、最後は流して勝つのではないかという見方も多かったですが、レース後はディープインパクト、オルフェーヴル、ナリタブライアンほどの歴史的名馬ほどの実力ではないのかもしれないという見方も多くなりました。
皐月賞だけ見るとダービーで1.6倍になるほど実力差があるようには見えないですが、元からダービーを目標に調子を合わせているということで皐月賞の時より調子はいいということでした。あとはやはりそれまでのレースぶりや凱旋門賞を勝つくらいの強い馬を見たいという競馬ファンの期待が馬券にも現れたのだと思います。
ルメール騎手が乗れない
さらに不安要素でルメール騎手が騎乗停止で乗れなくなりました。ホープフルまではデムーロ騎手でしたが、皐月賞ではアドマイヤマーズにデムーロ騎手が乗ってサートゥルナーリアはルメール騎手が乗りました。
今回デムーロ騎手が乗らなかったということは、デムーロ騎手が乗れなかった時だけルメール騎手に頼むというより、これからはルメール騎手でいくということなんだと思います。しかし今回はルメール騎手が騎乗停止になってしまいダミアン・レーン騎手が乗りました。
ダミアン・レーン騎手もとても実力があり、日本でも高い勝率の結果を出しています。しかし経験、特に日本での経験はやはりルメール騎手、デムーロ騎手と比べると劣ります。
日本ダービーは海外のビッグレースと比較してもなかなかの賞金だし、雰囲気もすごいものがあると思います。日本ダービー開催日の東京競馬場10万人以上が来場します。
他のスポーツで考えてみるとわかると思いますが、10万人が観戦するということはなかなかないと思います。アーティストのコンサートでもなかなかないと思います。
アーティストのコンサートは入念にリハーサルを行うだろうし、そのアーティストが好きな方たちが集まるので基本的にはホーム感があると思います。
しかし競馬ではリハーサルはもちろんないですし、ほとんどの方がお金をかけているのでコンサートとはまた違った独特の雰囲気だと思います。さらに今回は世界的名ジョッキーのルメール騎手の代わり、1.6倍の圧倒的一番人気、無敗の馬というのも加わり、並大抵のプレッシャーではないと思います。その中で繊細な駆け引きで他のスポーツ同様一瞬の判断の遅れやミスも許されない勝負をしていかないといけないのです。圧倒的一番人気の実力馬で世界的に有名な騎手であっても勝つことはとても困難なことです。
スタートで出遅れ
サートゥルナーリアはゲートが開いた直後、少し立ち上がるようになり出遅れてしまいます。レース展開などによっては大したハンデにならないこともあるのですが、今回はこれが大きなハンデとなってしまいました。
競馬では馬場の状態(馬が走る地面の状態)が勝敗を分ける大きなポイントにもなります。例えば芝レースでは雨が降ると地面がゆるくなり、走りにくくなるためタイムが落ちます。ダートレースだと逆にタイムが上がります。
今回の日本ダービーの時の東京競馬場は雨が降った時とは逆に馬場が非常にいい状態で走りやすい状態でした。もちろんハイペースになったのもあるのですが、日本ダービーレコードの非常に速いタイムが出ました。
一般的に馬場が良くて走りやすいと先行した馬がバテにくくて、先行した馬が有利と言われています。今回は一週前のオークスでも2.22.8という速いタイム、ダービー後の目黒記念でもレコードが出ているので、相当芝の状態がいいのだと思います。
そう考えると出遅れて後方からとなったのが、痛かったのかなと思います。3強と言われていたサートゥルナーリア、ヴェロックス、ダノンキングリーは道中前にいた順にゴールしています・・・・・と言っても目黒記念は後方にいたルックトゥワイスが直線まとめて差し切っているので何とも言えないです(笑)
先週のオークスを勝ったラヴズオンリーユーは強い!?
今週のダービーではヴェロックスもサートゥルナーリアも前を捉える事が出来ませんでしたが、先週のオークスを勝ったラヴズオンリーユーは中断やや後方から差し切っています。それなら同じ考えで目黒記念のルックトゥワイスも強いのではと思うかもしれませんが、目黒記念はハンデ戦です。
もちろんルックトゥワイスも強い可能性ありますが、ハンデ戦なので牡馬、牝馬、年齢以外にもレース成績によってハンデ(馬によって背負う重さが違う)が付けられています。
今回去年の有馬記念を勝ったブラストワンピースも目黒記念に出ています。ブラストワンピースは4歳牡馬でルックトゥワイスは6歳牡馬なので、ハンデレースではないレースでは同じ斤量走ります。(4歳と6歳で年齢が違いますが、4歳以上は古馬と言われて同じ扱いになります。)
目黒記念はハンデ戦なので、G1レースを勝っているブラストワンピースは59キロ、ルックトゥワイスは55キロを背負って走りました。競馬で斤量4キロというのはかなり大きな差です。そのため強さを見極めにくいです。
安田記念のアーモンドアイがどんなレースをするのか楽しみ
今週行われる安田記念も東京競馬場です。そして安田記念にはアーモンドアイが出ます。アーモンドアイは秋華賞までは後方で待機し、直線で差し切る競馬が得意でしたが、ジャパンカップ、ドバイターフでは先行して完勝しています。
この感じだと先行してくるのかなと思いますが、安田記念1600mはジャパンカップに比べるとだいぶ距離が短いです。距離が短くなれば当然前半のペースは速くなります。今の東京競馬場の馬場を考えるとかなり早くなることも考えられます。そうなると簡単に先行できるかわからないです。
そもそもジャパンカップを勝った馬が安田記念に出てくること自体珍しいです。通常ならジャパンカップ勝ったのなら、宝塚記念に出るのが普通だと思います。ルメール騎手に乗ってもらうために他の馬の出走プランを見ながら調節しているのではないか、体質的に弱いため距離が短い方が少しでも負担が少ないからではないかなどと言われていますが、部外者で素人の私は真相はわかりません。
オッズは日本ダービーのサートゥルナーリアより人気になり1.5倍以下になるのではないかと思いますが、今回も人気ほど簡単なレースにはならない可能性もあるのではないかと思います。
その反面圧倒的な強さを見せて欲しいなという期待もあります。ドバイターフのように先行してもったままで先頭に立ち危なげなく勝利、先行有利と言われている馬場であっても難なく後方から直線だけで差し切って勝利というレースを期待してしまいます。ルメール騎手の手綱さばきにも注目です。