皐月賞 サートゥルナーリアが勝利

  • 2019年4月19日
  • 2019年5月15日
  • 競馬
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皐月賞

この前桜花賞について少し紹介しましたが、今回は桜花賞の翌週に行われる皐月賞です。桜花賞は3歳牝馬限定のレースで牡馬は出る事が出来ません。皐月賞は3歳限定のレースなので4歳以上の馬は出る事が出来ませんが、3歳なら牡馬でも牝馬でも出る事が出来ます。とは言っても前の週に3歳牝馬限定のG1レースがあるのだから多くの牝馬は皐月賞ではなく、桜花賞を選択します。

皐月賞のあと牡馬が出れる3歳限定のレースは5月にNHKマイルカップ(1600m)、日本ダービー(2400m)、秋に菊花賞(3000m)があります。NHKマイルカップ1600mと距離が短めで短距離が得意な馬が出てきます。皐月賞とNHKマイルカップについては両方出る馬もいますが、1600mのNHKマイルカップと3000mの菊花賞を両方出る馬は私の記憶ではないです。そのため牡馬のクラシック3冠というと皐月賞、日本ダービー、菊花賞になります。

3冠馬は今まで7頭

これまでの日本の競馬の中で牡馬のクラシック3冠馬はセントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴルの7頭です。競馬ファンならいずれも知っている有名な馬です。この中でも無敗で3冠を制したのはシンボリルドルフとディープインパクトの2頭だけです。

皐月賞を走る前から3冠馬の可能性が高いと評価されているのが、サートゥルナーリアです。つまり皐月賞を走る前から上の7頭と同じかそれ以上の評価を受けているわけです。高校野球で言えば春の選抜が始まる前に春、夏制覇の確率が高いと評価されるようなものです。人間なら気の毒になるくらいのプレッシャーだと思いますが、きっと馬はその点についてはそれほどプレッシャーはないのかなと思います(笑)

皐月賞に牝馬が出る場合ハンデが付きます

競馬は必ず騎手が乗っていなくてはいけません。(途中で落馬したら一着でゴールしても無効です)競馬では1㎏多く乗せるだけでもハンデになります。そのため騎手をそのまま乗せると騎手個人の体重の違いで公平なレースが出来ません。そこで騎手の体重に合わせて重りを付けて馬が背負う重さは調節しています。

皐月賞の場合、牡馬ならみんな57キロでハンデはありません。牝馬の場合は55キロで2キロのハンデが付けられます。そのため牝馬だと全く勝ち目がないというわけではないです。実際に去年のアーモンドアイはジャパンカップで牡馬や年上の馬を相手に勝利していますし、クラシックでも数年前のウオッカは日本ダービーで勝っています。

3冠の一つ目を勝利

皐月賞でサートゥルナーリアは12番ゲートから好スタートを切り、道中は無理せず包まれないように中団外を追走します。いつもよりは若干後ろの位置で、4コーナーでは結構外を回る形になってしまいました。


サートゥルナーリアの過去のレースでは直線に入っても前にも横にも馬がいて、進路がない状態でなかなかスピードを上げられない中、前が空いた瞬間に騎手がゴーサインを出して一気に抜け出して勝負が決まっていた感じでした。 そんなこれまでのレースを考えると内で包まれて出られないのは避けたいと考えていたと思うので想定内の位置なんだと思います。

今回は外を回った分、だいぶ距離的に損をする形になりましたが、前の進路は空いているので直線に入る前のコーナーから、もう騎手のゴーサインが出ているように見えます。これまでの3レースは騎手が追い出したら一瞬で勝負がついていましたが、今回はそうはなりませんでした。

半馬身くらい前を走るヴェロックスもなかなか前を譲らないし、最内をついたダノンキングリーもいい脚で伸びてきました。そのまま3頭が競り合いになり、最後にサートゥルナーリアがアタマ一つ抜け出して勝利、3着まではタイム差なしの僅差でした。

レース後は長い審議

レース後は長い審議になりました。競馬では陸上の短距離とは違ってコースが決まっていません。さらに馬に乗っているわけです。いくら厳しい訓練をしたプロの騎手であってもいつも100%完璧にコントロールすることはできません。時には他の馬の走りを邪魔してしまうこともあります。

しかし「邪魔して仕方ないね」で終わらせてしまうと、わざと邪魔し放題になってしまいます。そのため不利があったようなレースはレース後に審議が行われます。審議のシステムについては私は知りませんが、おそらく審判のような人がいて騎手の方の話を聞いたり、レース映像を見て決めるのだと思います。

実際に不利があったと認められれば、降着になります。審議になっても不利がなかったと認められればそのまま順位が確定します。審議になるとレースのどの部分を審議しているのかをアナウンスされますので、上位の馬が関係しているようなら馬券を買っている人は気が気ではないと思います。

今回はヴェロックスとサートゥルナーリアが直線で接触して不利があったのではないかという審議です。つまり1着が変わるかもしれない重要な審議です。結構長い審議の結果、到達順位の通り確定しました。

期待が大きいだけに

上でも紹介したようにサートゥルナーリアはかなり高い評価でもう既に3冠や凱旋門賞制覇を期待されている馬です。いつも評判や人気、戦歴通り決まってはギャンブルとして面白くなくなるわけで、競馬は波乱が起きるのが当たり前でその中で着差がどうであれ勝ったということはすごいことです。

しかも休み明け、外を回っての勝利なのですごいのはわかっているんですが、ただ期待が大きかっただけに「あれ?」と感じてしまいました。「皐月賞で3馬身、ダービーで5馬身つけて勝利したのち、秋には菊花賞を捨てて凱旋門賞に挑戦もあるのかな」などという夢のようなローテーションを勝手に想像してしまっていました。素人が勝手に期待して、とても失礼ではありますが少し物足りなさを感じてしまいました。

今年は当たり年?

2着、3着の馬も強いのではないかというのも感じました。2着ヴェロックスの皐月賞の前までの戦績は5戦3勝2着一回、4着一回で悪くても上位に入る好成績だし、前走の若葉Sでは3馬身つけて勝っています。

3着のダノンキングリーは皐月賞の前まで3戦3勝の無敗です。しかも前走の共同通信杯はアドマイヤマーズに勝っています。

2歳牡馬が出れるG1レースは朝日FSとホープフルSの二つだけです。去年ホープフルSを勝ったのがサートゥルナーリアで、朝日FSを勝ったのがアドマイヤマーズです。つまりアドマイヤマーズもかなり強い馬です。

今回の皐月賞にもアドマイヤマーズは出ていて前の3頭とは2馬身差の4着です。アドマイヤマーズにとっては距離が少し長いのかなというのも感じますが、弱い馬ではないし、上位には入っていますので前の馬がかなり強いとも考えられます。

歴史的名馬でも負ける時はある

過去の3冠馬ナリタブライアンは皐月賞3馬身、ダービー5馬身、菊花賞7馬身の差をつけて勝っています。さらにその年の有馬記念も3馬身つけて勝っています。翌年には怪我をしてしまって、その後レースには戻ってきますが、本来の強さを取り戻すことはできませんでした。

ケガをする前のG1レースを見ると無敵の強さではないかと感じますが、負けているレースもあります。2歳(ナリタブライアンの時代は3歳と呼んでいた)では3回負けています。これは短い距離だったので単に短い距離があっていなかったとも考えられますが、3歳秋にも京都新聞杯で2着になっています。

ディープインパクトも3歳時の有馬記念で2着に敗れています。歴史的名馬であっても負ける時は負けてしまいます。今回サートゥルナーリアは僅差で長い審議の末の勝利ですが、負けていないサートゥルナーリアを過去の3冠馬と並ぶほど強くなかったと判断するには早いと思います。

5月には日本ダービー

アドマイヤマーズに関しては距離が延びる日本ダービーには出ずに短い距離のNHKマイルカップの出る可能性もあるのかなと思いますが、上位3頭はおそらく日本ダービーに出てくると思います。

今回サートゥルナーリアは休み明けで本調子ではなかった、直線ではよれてヴェロックスに接触して審議になってしまった、ダービーではもっといい状態でレースに臨めるなど、皐月賞はまだ力を出し切ってないのではないかという意見も多くありました。

サートゥルナーリアは歴史的名馬と肩を並べる事が出来るのか、ダービーの結果を見ればその答えもある程度わかるのではないかと感じます。今年のダービーはとても楽しみです。