PLフィルター 本来の鮮やかさを

PLフィルタを使ってみよう PLフィルタの効果

カメラも人間の目と同じで光を捉えるものです。そのため人間の目と似たようなところがたくさんあります。

人間も朝や夕方の逆行での運転、海など水面からの反射、スキー場の雪からの反射などこういった場所ではサングラスが欲しくなりますよね。光を弱めるだけでなく、乱反射した光を遮り、まっすぐな光だけを通す偏光グラスというのがあります。

偏光グラスはスキーや釣りの世界ではよく使われるものです。光の反射を防ぐのでスキーやスノボーでは雪からの反射を防ぎ、コースが見やすくなります。釣りでは水面の反射を防ぎ、水の中の魚が見やすくなります。

これらと同じ効果のものがカメラにもあります。それがPLフィルタやNDフィルタです。単純に光を弱めるだけタイプがNDフィルタで、乱反射を取り除く偏光グラスの役割をするのがPLフィルタです。

今回はPLフィルタを使ってみます。風景写真を撮る上で、PLフィルタは結構ポピュラーな存在です。

  • 反射を防いでくれるので、海や湖の青さがより鮮やかに写せる。また青さがなく透明な水の時はより透明に写すことができる。川底まで見せたいときなど効果的です。
  • ガラスなどの反射も防ぐため、ガラス越しのディスプレイを写したいときも効果的です。
  • 紅葉なども反射光を防ぐことで、より鮮やかな赤い紅葉が写せます。
  • 青空もより青く写す事が出来ます。

このような効果があるのでほとんど付けっぱなしの人も多いのです。ただし絶対付けっぱなしという人はいないと思います。それは反射を撮りたいときもあるからです。湖に移った逆さ富士だったり、水面が赤く染まるように紅葉が反射しているのを撮りたいときもあると思います。そういったときは反射を防いでしまうため、付けない方が綺麗な反射が撮れます。

また見た目からも想像できるように、光量も減少するため、外した時と同じISO、シャッタースピード、絞りでは暗くなってしまいます。

PLフィルタの取り付け

一眼レフのレンズの淵をよく見てみると、内側にネジの溝が付いていると思います。そこにねじ込んで取り付けます。NDフィルタに関してレンズに取り付けず、板状のものをレンズの前にかざすというタイプもありますが、今ではレンズに取り付けるタイプが一般的だと思います。

PLフィルタは2重構造になっていて、全面がクルクル回転するようになっています。取り付けたら、青空にカメラを向けてファインダを覗きながら、クルクル回してみましょう。青空の色が変化すると思います。回した位置によって効き目を調節する事が出来るのです。青空が一番濃くなるところが、一番効き目が強いです。自分の好みに調節しましょう。

注意事項

  • レンズが飛び出ている超広角レンズや魚眼レンズは取り付ける事が出来ません。
  • それぞれのレンズの直径にあったサイズのフィルタしか基本取り付けできません。しかし変換アダプタを使えばレンズより大きいフィルタを取り付けすることも可能です。自分のレンズのフィルタのサイズはアマゾンなどのサイトで、自分のレンズを見つけて、商品詳細を見るとフィルタ径というのがあると思います。
  • フィルタの淵が写りこんで写真の隅が黒くなってしまうこと(このことをケラレと言います)があります。広角になるほどその危険があります。その場合薄いタイプのフィルタを使うことで防げることもあります。ただし薄いタイプは価格も高くなります。
  • フィルタにはフィルタ自身にもネジ溝が付いていることが多い(全てのフィルタについているのか不明です)ので、重ねて使うこともできます。しかし重ねて使うとまたフィルタの淵が写りこむ危険性が高くなります。
  • デジタル一眼レフではPLフィルタの中でも「サーキュラPLフィルタ」「C-PLフィルタ」となっているものを使用する。

実際に使ってみる

クリックすると拡大します。

PLフィルタなし
PLフィルタあり

 

・・・確かに違うのはわかるけど、ちょっと暗くなっただけでは?レタッチでカバーできるレベルなのでは?と思うかもしれません。私も半分はその通りだと思います。この写真の例ではレタッチで似たような写真が出来ると思います。

しかしレタッチをしたくない人もいます。パソコンで写真をいじってしまったら、もうそれは写真じゃない、自然の風景を撮ったとは言えないという意見もあります。私はレタッチしますが、そういった気持ちもわかります。レタッチをしたくない人にはよりおすすめです。またコンテストに出す場合、レタッチ禁止、レタッチありだが派手なレタッチはダメというコンテストもあります。そんな時もPLフィルタはおすすめです。

もう一つ例を挙げます。

 

PLフィルタなし
PLフィルタあり

 

・・・効果があるのはわかるけど、これでは価値があるのかわかりづらいですね(笑)水の反射やガラスの反射はレタッチではカバーできませんが、この写真ではその価値があまり見いだせないように思います。

そもそも水が汚いのです。この場所では水面の乱反射をカットしたところで川底が見えるわけではないです。もっと条件のいい所を選ぶべきでした、すいません。

さらに今回使用したPLフィルタはメーカー忘れましたが、相場よりかなり安いものです。そのため効果が薄いのかもしれません。解像度も落ちているように感じます。(もちろんどんなフィルタであっても解像度は落ちるのですが、通常はほぼ区別付かなかったり、大きくしてみたり、注意してみないとわからない程度です。)

以前D3300の時に使用していたkenkoのPLフィルタは解像度も気にならなかったし、もう少し効果があったように感じました。今はもうⅮ3300を売ってしまったので、比べる事が出来ません。養老渓谷の写真はⅮ3300の時の写真なのでkenkoのPLフィルタを使用していますが、レタッチもしてしまっているため参考にならないと思います。

何でそんな安物を買ってしまったかというと単純PLフィルタは結構いいお値段がするのです。特にレンズの直径が大きくなるほど価格があがります。私が今使用している標準ズームレンズは72mmです。72mmのkenkoのPLフィルタはたしか安いもので6000円位したと思います。

今回は効果を示すのに十分な条件がそろっていなかったです。もう少しいいPLフィルタを買ったときは、改めて比べた写真を紹介したいと思います。

まとめ

今回の私の意見は

  • レタッチすることに抵抗がない、かつ、kenkoクラス以上の価格のPLフィルタは買いたくないという方は使わない方がいいと思います。
  • 使いたい人はできる限りkenkoクラス以上のものを使用する、普段使わないがどうしても反射を防ぎたいときのために安物を携帯しておくというのがいいと思います。安物を付けっぱなしはおすすめしません。

私はⅮ3300の時はほとんど付けっぱなしにしていたが、今回の安物は解像度落ちが気になり、携帯はしていてもほとんど付けることはないです。